スタッフロール。
 エンドロール。
 オーケストラ。
 感動的な終わり。
 全ての人は幸福に暮らしました。

 なんて理想郷。

「よくやってくれた。ルイ、ユウ、ゲン。
 我ら神々もお前たちに敬意を払おう」

 荘厳な甲斐。
 口々に告げられる賛美の言葉。
 平和に成ったよ。
 おめでとう。
 ありがとう。
 もう歪みはないよ。
 もう何も恐くないよ。
 幸福を。
 永久に。

「それでは……名残惜しいが三人は地球へと帰るのであろう?」
「当たり前だろ。もう少しで受験だしな」
「神の力で合格させなさいよ。こんなに頑張ったんだから」
「いや、神の力をそういうのにな……?」

 エンドロール。
 少し待って。
 アルファベットは三つ。
 消えるまで待って。

 そうすれば……

「世界平和かー。なんか変な感じだよな」
「魔物が出なくなっただけだもの。
 人の心までは変わらないわ」
「だよな。あれ? そーすっと……」

 気がついた?
 フラグだよ。
 フラグなんだ、伏線なんだ。
 終わりは始まりに繋がる。

「なあ、歪みは――」

 振り返ったらダメ。
 それがスイッチ。
 イベントの始まり。
 強制イベント。
 タイトルは……そう。

「勇者殺し、魔王の目覚め」

「ユウ!?」
「ユウ……!」
「やはり!!」

 歪みは消えない。
 人の心がある限り。

 すべては歪む。

 いずれ、すべて。

「裏ボスの登場だよん……ってね?」