あぁ――しまった間違えた。
 煙もくもく大変だ。
 後悔してる間にもどんどん死んでくぞ。
 大事なモルモットたちがどんどん死んでくぞ。





「あー……」





 積み重ねられてるのはゴミでもければ肉でもない。
 ただの骨、骨、骨!
 結局だれも助けられなかった。
 気付いたら自分以外みんな骨。


 仕方がないから新しいモルモット買いにいこう。


 賑やかなこの街。
 闇の部分はたくさんある。


 明るい声で告げればたくさん来るよ。


「モルモットーモルモットの買取してまーす」


 欲に溺れた哀れな豚。
 豚の胎から生まれた鼠をつかってあげるよ。
 その骨のひとかけらまで。


 だから売ってくださいな。


 大事に大事につかってあげるよ。


「モルモットー」


 はいはい群がる豚ども臭いことこの上ない。
 けれど大事なお客さん。
 かわいいモルモットをくださいな。
 お金ならたくさんあるよ。
 そんな紙切れモルモットに比べたら大事でもなんでもない。
 さあさあくださいな。
 かわいいモルモットをくださいな。


 集まったよかわいいモルモット。
 君たちが絶望覚えるよりも前に。
 愛ある死を提供するから待っててね。


「あぁ……いけないいけない」


 煙もくもく。
 かわいいモルモットが死んでくぞ。
 せっかく買ってきたのに。
 どうするどうする?


「まあいいか」


 どうせ代わりなんてたくさんいる。


 低脳な豚どもが次々生んでくれるさ。


 さぁ、街へ行こう。
 新しいモルモットが欲しいからね。


「かわいいかわいいモルモットー」