・・・・・・・変だ。絶対変だ。
だって大貴、望月さんの事ずっとずっっっと見てる!
私は。大貴・・・幾島大貴の幼馴染。
いつも一緒で、隠し事なんて一つもなかったのに。。。
くそう!小さい頃一緒にお風呂入った仲じゃないか!!!!
この私に秘密事なんて。。。
一人で考えてても解決しない!行動行動!!!
・・・・とコーヒーを飲みながら思ってたら。。。
「おいおい、ちょっと聞いてくれよ」
・・・・あれ??誰に話してるんだ?まさか。。。
『わ、わ、私!!!??』
「あぁ。お前お前!だっての! 言いから聞けって」
『な、、、なんだよ。。。』
「いいか? 俺は今な、凄く気になる子がいる」
・・・・私の心の中で何かがチクリと痛んだような気がした。。。
『え!?嘘!!まさかk「いや、恋じゃなくてな? 変な子なんだって!」
なんだ・・・恋じゃないんだ。
『恥ずかしがっちゃって♪ホントは恋なんだろ??』
「いいから聞け。聞かないとそのコーヒーひっくり返すぞ」
『いぃゃゃややああ!!!私のコーヒーがぁぁぁああああ!!!』
「まだなにもしてねぇよ!!!」
大貴は<その>少女のことを話し始めた。。。
大貴は少女、少女って呼んでるけど、私にはその少女ってのが望月さんだってのはもうバレバレ。
まったく・・・・大貴は鈍いんだから。。。
あんたの幼馴染何年やってると思ってんの!!?
「まぁ、そん時は暗いヤツだと思ってたわけよ!
確かに横顔は綺麗だけど、会話が成立しないなら意味がないだろ?」
ふぅ〜んあんた、綺麗系が好きなんだ〜。。。
「おい、・・・・なんだ、その顔は?」
そう言われハッっとした。
『う、生まれつきよ!う・ま・れ・つ・き!!』
「え、生まれつき? 悪い悪い、怒るなって。ま、まだ続きがあるから聞けよ」
『しょうがないなぁ。。。』
今度は体育祭の話だった。
確かに一緒に作業してる時、いつも上の空だった。。。
大貴・・・その時。私が何を思ったか知ってる?
でも・・・・
『やーっぱ恋なんじゃないの〜??』
ほら。やっぱり表に出せない。
「恋じゃねーっつの! ま…まぁ、普通に会話くらいしたい…ような気がするけど、
それは友達としてだからな。邪推すんなバカ!!」
『馬鹿ってなんだよ!!馬鹿って!!馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ〜!』
あっかんベーをしながら私は言う。
「え? バカっつった方が馬鹿?ガキお前は!」
『ガキで結構!!!』
大貴は相変わらずマイペースで話を続けている。。。
どうしてあんたはそう鈍いんだよ!!
私は。。。。い、いや!何でもない!
でも、実際、此処にいるのが正直辛くて。。。
大貴が話している隙に逃げ出そうとしたんだ。
「あ、おい!! 逃げるなって…こらぁっ!!!」
腕を掴まれた。
こうなったら逃げ出せない。。。。
大貴・・・・あんたの・・・・やっぱり恋だよ。。。。
だって・・・・もう何年も一緒に居るけど、
こんな大貴の横顔・・・・初めて見たよ。
悔しいけど、私は望月さんみたいに綺麗でもないし、女の子っぽくも無い。
どっちかっていうと男の子っぽいし。。。。
・・・・・なんていうか、悲しくなるな。。。。
私はいつも大貴の一番傍に居た。
でも、傍により過ぎて・・・私のあの気持ちでこの関係を壊すのがとても・・・とても怖かった。
「最後まで聞いていけっての………」
『あ・・・?え・・・・?ごめん。。。』
やっべ。大貴の話、聞いてなかった。。。
「はぁ………やっぱり、綺麗だよな………
まぁ、今日は本を読みながら一緒に昼飯でも………」
そう大貴が望月さんの方を向いた。
あれ??望月さん、、、、あの男の人って・・・望月さんにどこか似てる。。。
「聖園、今日は一緒に食べないか?」
「兄さん? えぇ。あの本も凄くよかった――」
やっぱり!お兄さんだったんだ!
あ・・・大貴が凄く残念そうな顔していやがる。。。
その時、望月さんが振り返って。。。
「幾島くんも行かない? 新しい本があるの。勿論さんもね」
「喜んで行かせていただきます!ほら!行くぞ!」
腕をまた掴まれた。。。
私、返事してないのに。。。
まぁ、良いか。
「平野さんは好きな本ある?」
望月さんに聞かれた。
『でいいよ。本は、、、あまり読まないからな〜』
「私も聖園で。じゃぁ、貸そうか?」
『うん!ありがとね!』
「どうもいたしまして」
聖園が微笑む。
『・・・・絶対負けないからね♪』
「え・・・?どうしたの?」
『あはは!何でもないよ〜!!早くしないと置いてくよ!』
絶対、絶対負けないから。。。