ああ
 これは懐かしい糸
 
 夜と一緒に引き離された
 僕の双子のものですよ

 紡いで 紡いで
 何かをつくるわけでもなく
 ただ紡ぐ

 僕はその糸を見つけるたび

 その朝から逃げ出したいと
 強く願うのですよ

 生まれるより前から一緒にいた
 魂までも繋がった あの子に会いたくて

 名前のない僕たち
 いつか名前がもらえるように

 地の底で 大地で
 待っている仔を見下ろして

 紡がれた糸を抱いて
 僕はまた朝と共に昇ります

 太陽が昇り
 月が沈む

 繰り返して
 追いかけあう

永遠に